従業員による信用毀損行為

昨今、「バイトテロ」という俗語が一般化してきました。飲食店等のアルバイト従業員が店舗等で不適切な行為を行い、それをSNS等にアップし、企業及び店舗の信用を著しく毀損させた行為のことを指します。 このようなことが起きた場合、企業または店舗にはどのような影響があるでしょうか?
・企業イメージの低下
・集客や売上が下がる
・謝罪や事実確認等対応に時間を割かれる
従業員の信用毀損行為によって長年に渡り築き上げてきた企業イメージが一瞬にして低下します。さらに企業イメージの低下がお客様離れを生み、売上の減少を招きます。
企業側は謝罪会見等を行い信用回復に努めることになります。
このような事態による損失を保険ではカバー出来ないのでしょうか?
①企業イメージの低下
企業イメージが低下した場合、それを直接的に回復させる保険はありません。
記憶に新しいところでは、大手飲食チェーンが株価下落の損害賠償請求を行った例がございますが、直接的な株価回復手段ではございません。
従業員の信用毀損行為によってその企業の株主から株価が下落し損失を被ったと訴訟を起こされた場合には、「会社役員賠償責任保険」で対応できる可能性はございます。
②集客や売上の低下
従業員の信用毀損行為によって休業を余儀なくされた場合、休業中の損失を補償する保険は現在のところございません。各保険会社で「休業補償保険」や「利益保険」は販売されていますが、火災等で対象の物件に損害が生じた結果として休業した場合の補償になりますので、補償対象外となります。
③謝罪や事実確認等対応に時間を割かれる
謝罪会見や問題解決のため対応を弁護士に依頼した場合の費用を補償する保険はございます。大手損害保険会社で販売されています。今、注目されている保険の一つです。
【まとめ】
従業員の信用毀損行為は企業や店舗にとって大きな損害です。特に企業イメージの低下は売上のようにはっきりと数値であらわれないため対応が難しいと言えます。
事案が発生した際の対応もあらかじめ体制整備をしていない場合困難を伴います。
従業員による信用毀損行為が起きないよう従業員教育を周知徹底することが一番大事ですが、万が一起きてしまった時に対応をサポートしてくれる保険も大手損害保険会社より販売されています。そのような保険に加入しておくのも対策の一つといえるのではないでしょうか?